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2ステージ制とポストシーズンの導入について

Jリーグが2015年シーズンからポストシーズンを導入することが決まった。率直に言えば、これにより清水がJリーグを優勝する可能性は高まるとは思うが、不愉快だし、反対である。

個人的な思い

第一に、年間最多勝ち点獲得チームこそが王者であると考えているからである。34試合というマラソンを走りぬいて先頭でゴールしたチームこそが王者である、これがあまりにも自分の中で当たり前のことになっている。付け加えて言えば、ステージ制ではホームとアウェーの試合数が異なる点や、H&Aを戦わないことによる不公平がつきまとう。
王者とは所詮レギュレーションに則って定まるものであるという意見には一理あるが、ステージ王者でもないチームに優勝する可能性があることは不自然だと思う。仮にリーグ戦全勝したとしても優勝出来ない可能性があるレギュレーションは率直に嫌だ。

目的が不明瞭

第二にこれが観客・収益を増やすという大義名分に則ったものなのかという疑問である。
たしかにポストシーズン4試合分の観客増はあるだろう。そしてステージ優勝に絡んだチームのリーグ戦観客増もあるかもしれないし、一方で1stステージで1位2位のチームの2ndステージの動員が落ちるかもしれない。そして15%オーバーの視聴率をコンスタントに保つ日本代表の試合に比べて、ナビスコカップ決勝でも5%前後の視聴率しか上げられない現状があるし、結局はポストシーズンに絡むチームにしか影響がないのではないかという危惧がある。

そもそもどの層にリーチしているのか?非常にわかりづらい。下記のインタビューなどは何も言っていないと同じではないか。

――代表の盛り上がりをJに還元する施策もあるのでは?
「私自身はウルグアイ戦の宮城スタジアムの観客を見て、あらためてJリーグファンとの層の違いを感じました」
――その層もサッカーに興味があるわけで、取り入れやすいのでは?
「それは検証が必要ですね」
――海外サッカーのファンを取り込むよりも、日本代表のファンをJリーグに呼び込むほうが近い気がするのですが。
「私たちの調査だと、ファンは『まったく違うもの』として考えているみたいです。宮城スタジアムで、ウルグアイにあの試合をしたら、サッカーを知っている人からすればパフォーマンスに対して思うところがある。でも、黄色い声が試合後も飛ぶんです。『ああ、Jリーグを見に来ている層とは違うな』と肌で感じました。では、その人たちを取り込むにはどうするか。いわゆるカジュアル層をJに取り込むべきなのか」
――では、どの層をJリーグに取り込みたい、という想定はあるのでしょうか?
「どの層を優先するかは、関東広域圏のクラブと、他のクラブでは違います。その打ち手の順番を考えるのがクラブ。そして、可能性を広げるのがJリーグとしての役割分担です。代表を見に来てくれる人はありがたい。だけど、本当にあの人たちがJを見に来るのか」

リーグはなぜいま改革を進めるのか ~中西大介 Jリーグ競技・事務統括本部長に話を聞く

一方で、このような発言をしている。

「観客増のためには、ライト層を取り込むきっかけを作ることです。いま2万席あるスタジアムに1万5千人が入っているとします。そこから5千人を増やすのはクラブの努力です。でも、7万人のキャパシティーに2万人入っているスタジアムを将来的に7万人にするのは、クラブの努力だけでは無理だ、と考えています。Jリーグとしてメディアに取り上げてもらう努力を進めていかないと、7万人には増えないと考えています。『Jリーグは素晴らしいから見に来てよ』、という接点のためにはどうすればいいのかが、考え方の原点です」

リーグはなぜいま改革を進めるのか ~中西大介 Jリーグ競技・事務統括本部長に話を聞く


平均5千人の観客増が果たせるのであれば万々歳なのではないのか。日産スタジアムでの横浜の観客を7万人することがゴールなのか?であるのであれば、それはいつまでに達成する目標で今回のポストシーズンの導入でどこまで達成するつもりなのか?公開されていないだけなのかもしれないが目標が不明瞭である。
第一、どのクラブも観客の確保の為に色々と知恵を絞っている。現在の数字に5千を加算すれば、Jリーグ発足以来無かった入場者数2万人超えとなる。これですら達成不可能な非現実的な数字と感じる。そこにJリーグができることはあるはずである。
中西氏のインタビューを読んでいて最も不快に感じた点はここで、字面通りに読むとJリーグが目指している目標があまりにも現実からかけ離れている点であり、責任を放棄しているように感じることである。一方でポストシーズンの導入による収益増は10億円を見込んでいるということであるが、ここから各クラブへの分配金を増やすつもりはなく減少傾向にあるJリーグの収益に補填されるようである*1
正直、下請け企業(各クラブ)のことなど一切鑑みずに負荷だけを押し付ける大企業(Jリーグ)を想起してしまう。

経緯の不透明さ

第三に経緯が不透明である。
今のところJリーグからの説明は上記の中西氏へのインタビューとサッカーキングによる同じく中西氏へのインタビュー程度である。
ポストシーズン制導入・現状維持の具体的な予測を公表し、望ましい施策ではないがリーグの為に我慢してくれと訴えていれば、ファンの多数が反対している現状も少しは変わっていたのではないだろうか?

とかくJリーグは不透明である。誤審があっても審判に説明する機会は与えられないし出場停止が取り消されることもない。ファンが事件を起こしてもホームチームの管理責任が問われるのみで有耶無耶。秋春制への移行に対して雪国のチームから根拠ある反対が表明されているが、それに対する説明はないにも拘わらず定期的に秋春制への移行をしたい旨が表明される。秋春制を導入すれば日程が緩和されるというが試案が提示されたこともない*2我那覇和樹のドーピング冤罪事件は未だに川崎に罰金1千万円が返金されていない。基本的に非を認めないし、公に説明することをしない組織である。
それに対する不満が今回のファンの反応に繋がっているのではないか。

最後に

Jリーグの収益増・観客増に向けてできることは他にないのかと思う。
多くの人が言っていることであるが、スタジアムの整備が第一だと思う。利便性の良い場所にもっと多くのサッカー専用スタジアムが欲しい。すでに行われているがtotoの収益をもっとそちらに回せるようJリーグには努力して欲しいし、建設の議論がまとまらないケースでは意見を述べたり、JFAを巻き込んで日本代表の試合を誘致するなど、より多くの素晴しいスタジアムが造られるよう努力して欲しい。
またスタジアムのがより安心して試合を楽しめるようにもして欲しい。これはJリーグだけではなくクラブもであるが、家族連れが安心して観れるような座席種を用意できないものか?アウェーよりのメインスタンド or バックスタンドに野次・ブーイングを禁止した区域を用意することは出来ないだろうか?もちろん前提として、過去の暴力行為を生産することが必要であるが。

とにかくもっとJリーグ観戦の面白さを伝えて欲しい。観戦を軸に置いた休日の楽しみ方だったり、選手やチームの成長を見守る楽しみだったり、Jリーグを観戦することによる人の輪の繋がりだったり、試合以外にも多くの人にわかりやすい楽しみがたくさんあるのだと思う。なんとかそれを伝えて欲しいと思うし、周囲の人々に伝えていきたいと思う。

*1:ところで10億円のスポンサーは何年契約なのだろうか?長期契約でないとあっさりと目論見が崩れそうであるが。

*2:ステージ制の導入は、秋春制への移行しやすいというのがあるのだろう。