ゴトビ監督の続投によせて

すでに旧聞に属するが来期のゴトビ監督の続投が発表された。喜ばしい限りである。
自分がゴトビを支持する理由は大雑把に言って以下の3つの理由からである。

  1. 勝てる監督であるから
  2. 選手を初めとしてチームから認められている(ように見える)から
  3. チームを育て上げられる監督であるから
理由①:勝てる監督であるから

繰り返しになるが、アレックス・大前が抜けた穴は大きくバレーを獲得したとは言え不安しか覚えなかった今シーズン初めの戦力で、開幕直後の連敗もなんのその、折り返しの17節時点で勝ち点22を稼ぎ*1、残留争いに巻き込まれることはなかった。
また今期の基本戦術は4回ぐらい変わっている。

3ボランチ → 戦術バレーのカウンター → 低い位置からのポゼッション(右サイド主体)→ 大前加入後の4-1-2-3 → 4-2-3-1

初期の3ボランチがまったく機能しなかったのはマイナスであるが、この変遷からわかるように決して理想一辺倒の監督ではなく、理想が通用しなかったら現実に則してチームを変化させかつ勝ち点を稼げる監督であり、これができる監督はJ1にもそうはいないと考える*2

理由②:選手を初めとしてチームから認められている(ように見える)から

どんな名監督であれ選手の心が離れてしまう危険性があり、監督交代のもっとも大きな理由の一つはこのパターンであると思うが、現在のチームは完全にゴトビを認めているように見える(鳥栖戦の浩太や仙台戦のラドンチッチのゴール後のシーンが象徴的である)。また以前は皮肉が鼻についたS極の記事も最近はそうでないように、メディアにも受け入れられてきているのではないかと感じている。
春先の連敗時には完全に求心力を失ったかにも見えたのだが、よくぞここまできたと思う。外野からは詳細は伺えないが、浩太のキャプテンシーも大きかったのではないかと想像している。

理由③:チームを育て上げられる監督であるから

去年の今頃を思い浮かべると、駄目なときの清水というのは、

ボールを持たされる → 前に繋げない → キャラがロングフィード → 前線にボールが収まらない

という無限ループを繰り返していたチームだった。ところが今期のチームにはそのような試合は殆ど無い。夏以降のラドンチッチの加入が大きいというのもある。アウェイ川崎戦は、近頃のワーストゲームだと思うが、それでもラドンチッチが決めていれば・翔の飛び出しがPKと取ってもらえればという「たられば」があった。
プロである以上ピッチに立ったら言い訳無用ではあるが、清水の選手たちの多くは「今日の選手」ではなく「明日・明後日の選手」である。才能を感じさせる(とても期待している)反面、目につく欠点も大きい。経験不足も否めなく、それは今期のチームの戦いぶりに如実に現れていた。そんな選手たちが一年間J1での経験を積めたことは、とても意味のあることだと思う。石毛や村松・翔に代表されるように個々にも明らかな成長が認められるし、昨期に比べて、チームのアベレージは格段に向上していると感じている。
オフシーズンの補強で上手く、そして運良く立ちまわることができれば、来期はひょっとしてひょっとするかもしれない、そんな期待すら抱かせるチームになったと感じている。
クラブライセンス制度の影響もあり、就任当初から多くの選手を入れ替えてきたチームであるが、その都度対処を行いつつ、よくぞここまで育てたと思う。

*1:「[http://babi1234567890.hatenablog.com/entry/2013/10/24/201941:title=数字で見る夏の補強の効果]」参照

*2:欲を言うと、ゲーム展開に合わせて上記の戦術の変遷を試合に反映して欲しいと思う。