2014年シーズン第9節 清水エスパルス vs ベガルタ仙台

個人的には今期2試合目のホームゲームにして、ホーム初勝利を味わうことが出来ました。

最初に、パルちゃんショーの長沢コールの呼びかけと勝ちロコ時の背番号9シャツを身に付けた選手たちにはウルッとさせられました。入場時にも背番号9シャツを着ていたようですが遠くて気付かず、勝ちロコの際になって初めて気付いたので、勝ちロコと続く王者の旗では涙ぐんでロクに歌うことが出来ませんでした。後刻、背番号9シャツのアイデアを大前と村田が同時に持ち込んだという話を聞いてまたウルウルとさせられました。いつの間にか長沢は本当に大きな存在になっていたことを実感させられました。

さて試合はその長沢の不在を感じる前半でした。立ち上がりこそ悪くなかったものの、次第にミスパスが目立ち、手数をかけずにDFラインの裏に走りこむウィルソンに合わせるという仙台らしい攻撃に押されました。
ミスが多かったのは、一つはメンタル面の問題でしょう。先制点後のプレーを見ると勝ちたい意欲がマイナス面に作用した気がします。もう一つは長沢不在。困ったときのロングボールが使えない(精度の低いプレーを選択せざるを得ない)・前線からのプレッシャーが弱い・仙台のプレースタイルもあるのでしょうが相手ボランチが安心して清水のボランチにプレッシャーをかけられるといった面があったと思います。

ただ、これはまったく致し方がないことで、これまでのフットボールが出来ない以上、次の形を模索するのは当然で、そこに産みの苦しみがあることも当然なのでしょう。この試合でも、スタート時はトップ下俊・右サイド河井でしたが、それを入れ替えたことも盛り返した要因の一つだったと思います。上位陣との連戦前に一つ試行錯誤ができたこと、その上で勝ち点3を積み上げられたことは大きかったと思います。

優れたゲームメーカーは場面場面を一枚の絵で切り取ってそこから選択肢を同時に見極める能力を持っているのではと思う時がありますが、俊はシーケンシャルに選択肢をチェックするタイプなのでしょうね。だから球離れが悪いし、一方でハマった時には判断が早くブレがない。結局使う側の選手ではなく、使われる側の選手で、チームとして選択肢を限定してあげた方が威力を発揮する選手なのでしょう。選択肢が多いトップ下から限定されたサイドに移って輝きだしたというのはそういう面もあったと思います。それと悪い時の俊のプレーは変にフォアザチームを意識して、その判断に迷いが出がちなのですが、この試合ではそんな感じがありました。ちょっとチームに媚びているような…。ただそんな中でも大事な大事な先制点をアシストしてしまうのですから、彼には色々と不満を覚えつつも期待してしまうのですけれど。

他の選手ですと、やはり村田の期待感は凄いですね。村田にパスが出た時の歓声の大きさ!27日のマリンパルで、歓声の大きさで行くか行かないかを判断しているというコメントがあって、聞いていて笑ってしまったのですが、実は理に適っている気がしてきました。途中出場ですと相手が2人付いても勝てますし、彼が右サイドでボールを持つと2~4人でも攻撃が完結するのが素晴らしいです。欲を言えば、大前との2人速攻のシーンでは大前に出して欲しかった。自分で行った気持ちもわかりますけれど。
全然、仙台戦の話題ではないのですが、クラブのグッズショップのスタンプラリーをやったり、マリンパルへ積極的に出演したり、SNSへの露出を含めて村田のピッチ外の活躍は非常に大きいと思います。今後どれだけ清水でプレーしてくれるのかわかりませんが、今の姿勢が続くようであればエスパルス栄誉賞あげても良いのではとさえ思います。

最後に八反田は厳しいですねぇ。あの仙台のフットボールだとちょっと使うポジションが思いつかないです。彼の出場機会という意味では監督交代が悪い方に作用してしまった感が強いです。どこのチームだと輝けるんでしょうか?もちろん川崎にはフィットしそうですが、なかなか彼のタレントが活かせるチームというのは(清水を含めて)少なそうですね。

短評
GK 櫛引 クロスへの飛び出しやDFラインの裏のケアなど、結果を残すに従ってプレーエリアが広がってきた感が。
DF デッキー 守備の基本技術は高いし、抜かれたと思っても追いつく早い足、抜かれたと思って届く長い足。実は凄い大当たりだったのでは。ただ今後、意識的に清水の右サイドを空けられたりすると、もうちょっとパス精度を上げないとカモになってしまうのかも。
平岡 ウィルソンに手を焼いたが、粘り強く対処。ロングフィードも○。
吉田 キャリアを考えると不思議なほど波がある。ただ以前は悪い時は試合通して悪かったが、この試合では後半持ち直す。
MF 竹内 タックルが本当に上手くなった。ただゲームをコントロールして欲しいのに悪い時に消えてしまうのは相変わらず。
六平 相手プレッシャーに押されて珍しく低調な出来。シュートを打てるシーンが幾つかあった。
河井 全体的にキレていた。トップ下に回ってより輝く。絶妙なパスと労を厭わないチェイシング。大前との相性も良い。
大前 いつもよりミスが多かったが、それでも運動量含めてチームを引っ張る。怪我だけは気をつけて。
FW ノヴァ 異議でイエローはもったいない。ただそこからパフォーマンスが向上するのが、バルカン半島の人だと妙に感心。連戦はスタミナ面できついと思うけれど気合で乗り切って欲しい。