2014年シーズン第13節 サンフレッチェ広島 vs 清水エスパルス
TVでザッケローニが抜かれる度に、傍らにあった飲み物がサッカー日本代表公式飲料である午後の紅茶でなかったことが気になって仕方がありませんでした。
3連敗の後に迎えたディフェンディングチャンピオン広島との一戦ですが、兎にも角にも引き分けて連敗をストップし、勝ち点1を持ち帰ることに成功しました。多分ですが、先制点を奪われて負けなかった試合というのも今季初のはずです。
前半は言ってはなんですが退屈な45分でした。5-4、5-3でブロックを作りロングボールを繰り出す広島に有効な攻め手を見いだせませんでした。そして先制点を奪われてその流れは加速しました。正直、ハーフタイムではこのまま残り45分も同じような流れが続いて負ける可能性が高いと感じました。
この試合の日替わりスタメンは、竹内トップ下の浩太・六平のダブルボランチでした。キャプテンの復帰は嬉しかったのですが、竹内の適性はトップ下よりボランチではないかという思いが近頃強いのでスタメンにはちょっと複雑な印象でした。前半の竹内はトップ下というよりもちょっと高めのMFという感じでしたね。今思うに、真ん中を細かく繋いでチャンスを作ろうというより、前半をロースコアで折り返したかったのでしょう。
そして前からプレスを掛けにいった後半、過密日程による疲労・夏かと思うような日差しは両チームにダメージがあったと思いますが、よりしんどかったのは広島の方でした。繋げない相手に大前・竹内のボール奪取からノヴァが決めて同点、前半を折り返した時の印象や、竹内トップ下に対する疑問、そしてノヴァと大前のコンディションに疑問を呈していた自分の立場は一体…というシーンでもありました。もちろん良い方に予想が裏切られるのは大歓迎です。
惜しむらくは、その後に山のようなチャンスを作りながらも決めきれなかったことでした。結局、GKを除くと廣井しか守備的な選手がいないベンチ(その廣井もパワープレー要員だったりする)という攻撃的なベンチメンバーを揃えたにもかかわらず*1、2枚目の選手交代は88分まで待つことに。リアルタイムで観ていて非常に疑問を覚えたのですが(自分だったら遅くとも75分には、大前・ノヴァを亜人夢・村田に替えていました)、ゴトビは連敗ストップということに勝ち点3奪取よりも重きを置いていたのでしょうね。このタヌキ(not 大前)がと思ってしまいますが、甲府戦の5バックといい3年以上日本で過ごしてきて日本人選手のメンタリティを学んだ上での結論なのだとも思います。それに何だかんだ言って交代前の状況でチャンスを作れていましたし、アディショナルタイムでの村田→大前の交代をワンプレー遅らせたように、守備力を重視したのでしょう。控え選手はヘロヘロの大前の方が自分より守備力を評価されていたことに発奮して欲しいなと思います。
次節はリーグ中断前の最後の一戦です。なんとか勝ってもらって、気持よく中断期間を迎えて欲しいと思います。
更に雑多な感想
広島との試合を観て、今の清水は難しいことにチャレンジしているのだなぁという思いを強くしました。ブロックを作ってミスを待つのではなく、より積極的にミスを誘う、ボールを保持しようとする。選手的には、SBさえ揃っていれば清水の目指すフットボールは広島の方が出来そうですものね。一方で欧州の歴史を見ても、ブロックを作って守る戦術をテクニックと攻撃戦術がそれを凌駕していったと思うので、清水の今後には期待したいです。
難しいことをやっているから優勝争いに絡まなくても良いとか残留争いに巻き込まれても良いとは欠片も思いませんが、今のフットボールでもそこそこやれているのは実は悪くないんじゃないかとか、もう少しどこかが改善されれば一気に花開いたりしないかなぁなどと考えたりしました。希望がないと辛いというのもありますが。
短評
GK | 櫛引 | 失点シーンはノヴァが応対したのに何故飛び出したのか。彼は意外とナーバス。 |
DF | デッキー | ボールを持った際のドキドキ感は激しいが、守備では圧倒的な強さを見せた。MVPは彼だと思う。先の話だがレナトとのマッチアップが楽しみ。 |
平岡 | 後半の攻め上がりにはビックリ。一つ引き出しが増えるか。 | |
キャラ | 前半は妙にパス出しで相手に引っかかることが多かったが、その後は安定したプレー。 | |
吉田 | ミキッチに手を焼き優位を築かれる。ただキャラのフォローも使って、なんとかイエロー一枚で抑える。 | |
MF | 浩太 | スペシャルなプレーはなかったが、ここから上げていって欲しい。 |
竹内 | あの決定機はせめて枠に飛ばして欲しかったが、これも経験。 | |
河井 | 彼のプレースキックは何なのだろう?妙な期待感がある。怪我が軽症でありますよう。 | |
大前 | やはりキレを欠いていたが、それでもあれだけやれちゃうのが難しいところ。運も味方しなかった。 | |
FW | ノヴァ | 毎度のことながら同点ゴール時の落ち着きは流石。味方に怒鳴りまくっていたのが気がかり。そういう役割の選手もチームには必要だとは思うし、健全なのは彼に要求できる選手が増えていくことなのだろうけれど。 |
俊 | セットプレーのキック含めてキレていた。良い時の俊は本当に素晴らしい。 |
*1:村松・本田はコンディションが思わしくなかったようですね。