2014年シーズン第28節 横浜F・マリノス vs 清水エスパルス

何度目かもわからない今期ワーストの内容で完敗。一方で大宮・仙台・甲府が勝ち点を上積みしたことでより苦しい状況に追い込まれてしまいました。

横浜と清水は似たようなフットボールを志向していると思います。前からのプレス・高さではなく平面主体、ですが相手に一日の長があったと言うべきかことごとく上回れてしまいました。終始劣勢だったのに、相手には3枚のイエローカード、こちらは0枚というのは、球際に強くいけなかったということですが、球際に強くいけるようなシーンすら作らせてもらえなかった感があります。

前半は、翔と佐藤を中心にこちらのDFラインに圧力をかける → ショートパスでプレスを剥がせない → ロングボールを蹴る → ノヴァのところでボールが納まらないの延々ループ、逆に、相手DFラインに圧力をかけられないし、上手く連動してプレスをしていないのでプレスを剥がされるという展開。後半はミスが多くなり自滅という感じでしょうか。

色々とジレンマです。
代表戦帰りのノヴァは良くなかったけれど、高さと決定力を考えるとなかなか外せない(瀬沼はきっとコンディション悪いんでしょうね)。前プレの整備には時間がかかるけれど、後ろに引いても守りきれるチームでもない。もちろんあちこちに出没する中村俊輔を捕まえられるほどのフレキシビリティもない、いや、なぜ清水戦で復帰するんだってと泣き言を言いたくなるほどの存在感でした。
かと言って、昨日の試合はどこも1対1で優勢なポイントもなかったですし、踏ん張って欲しかったとは思いますが後半ミスが連鎖していくのもわからないではありません。前体制のチームは上手くいかないことを前提に組み上げられていましたが、現体制は上手くいくことを前提に組み上げられているので、嵌った時には面白いのですが、嵌らないときはもどかしいです。

次戦は、新潟戦です。大宮・仙台が勝利したことでプレッシャーもきつくなっていると思います。ただ、この順位にあるチームが突如連戦連勝することは基本的に無いことです。アウェーで完敗するということも普通にあることです。それでも心折れずにプレーすることが残留への第一歩だと思うのです。
新潟も前プレが上手く、ホームとはいえ苦戦が予想されますが、なんとか勝ち点を積み重ねて欲しいと思います。

短評
GK 櫛引 孤軍奮闘も報われず。残念。

2014年シーズン第27節 清水エスパルス vs セレッソ大阪

突如、地獄のような職場に放り込まれて気づけば愛するチームは降格圏に。その間もできる限り試合は観てましたけれど、ちょっと疲れきっている状態で何か書こうとは思えない試合が続いていて、更新をサボっていました。
ようやく一区切りついたので、またボチボチとこちらも再開していきたいと思います。

残留争い直接対決2戦目のこの試合は、ここ最近の試合とは打って変わった内容を見せ3-0で快勝しました。もちろん順位的に勝ち点的に大きな一勝ですが、この勝利が、少しでもチームに自信を取り戻させたり、重圧を取り除いてくれることを願います。

嬉しかったことはここ最近の試合と大きく異る試合の入りを見せてくれたことです。
5バックから4バックに変わって中盤の枚数が増えたことも大きかったですが、積極的にボールを奪いに行く姿勢や球際の強さも光りました。正直、最後の最後まで吹っ切れずにズルズルいってしまうことも危惧していただけに、嬉しいサプライズでした。

この後も横浜FM、新潟、広島と相性の悪い相手が続きますが、今日の勝利が浮上のきっかけになればと思います。

短評
GK 櫛引 まだまだ安定感が足りない感じ。GKコーチはどうなるんだろう?
DF 河井 さすがの戦術眼。前監督が彼をSBで起用したことに批判していたライターは本当に何を観ていたのか。
ヤコビッチ 良くも悪くも普段通りのプレー。外国人選手たちはボールを持った際に前にスペースがあるとそのまま攻め上がることに躊躇がないのが良いと思う。
平岡 他のCBの選手ももっと得点を重ねていても良いのだと思うけれど、気づけば彼だけが得点を重ねている。素晴らしい。
吉田 賛同してくれる人は少ないだろうけれど、今シーズンは1つ選手としてレベルをあげていると思う。祝J1・100試合達成。
MF 本拓 石毛と並んでMVP候補は彼だと思う。ボール奪取・展開、そして機を見ての攻め上がりと良かった。怪我が軽症でありますよう。
六平 本職であるはずの前目の位置に入った時の方が物足りない。レギュラー一年目と言えばそれまでなのだけれど。
大前 不調。ここぞというところで、正確性や積極性を欠いたのは頂けなかった。
石毛 価値ある先制点。あとはスルーパスをノヴァが決めていればといったところ。攻守に効いていた。
FW ノヴァ ゴールだけが足りなかった。
結局このチームは彼のコンディションに左右される面が大きい。彼を孤立させないことが大事なのかと思う。あとは彼個人の出来が最低限今日ぐらいを保ってくれると嬉しいのだけれど。

2014年 前半戦を振り返って

2014年シーズンも中断期間を迎えました。今シーズンも悲悲悲喜こもごもなシーズンとなっていますが、感じたことを書いていこうと思います。

まずナビスコカップの最後2連戦での無残な姿が気になっています。同じ一方的・大量失点で負けるにしても負け方があります。あの2試合はチームがバラバラになってしまうような感じがありました。単純なコンディション不良、あるいは譲っても自信の喪失であれば良いと、文字通りチームの崩壊でないことを願いたいと思います。そして中断期間にリフレッシュして、再始動をして欲しいと思います。

気になることといえば、相変わらずコミュニケーション不足です。Sの極みを読んでいると、監督⇔選手間のみならず、選手⇔選手間のコミュニケーションも不足しているように思います。ナビスコ鳥栖戦の解説で戸田和幸が「パスミスの後にお互いが要求せずに背中を向けてしまう」というような指摘をしていましたが、なるほど的確です。
ゴトビは緻密さがない(決まり事が少ない)監督です。もちろんその方法にはメリット・デメリットがあるのですが、デメリットについてはゴトビもリスクとして承知していると思います。ただ、それをコミュニケーションで乗り越えて欲しいと思っているのではないか?監督⇔選手間・選手⇔選手間を問わずコミュニケーションが不足しているとは思っていないのではないか?そんな疑念を感じてしまいます。最近ピッチ上で叱咤するノヴァをよく見ますが、これが良い方向に繋がって欲しいです。

中断期間中に取り組んで欲しいのは一番は夏場を乗り切るフィジカル作りですが、前プレとカウンターも整備して欲しいです。遅攻も整備できれば嬉しいですが、新しい選手 or 時間が必要そうですし、ラインはもう下げることを良しとしないでしょうし、でもショートカウンターに関してはできるタレントが揃っていると思います。ただ現状では、奪えない時はまったく奪えませんし、カウンターの成功率というか決定機が少ない気がします。少なくとも「ボールを回す相手に対して「どうやって追うか」っていうのがチームとして決まっていない」なんていうコメントが試合後に出てくるのは監督だけの問題じゃなくてチームとして恥ずかしいと思います。
後は中断前に色々と個人の力量不足を感じたと思うので、各人長所を伸ばすなり短所を鍛えるなり努力して欲しいと思います。これは気長に見守りたいと思います。

短評。
GK 櫛引 チームが悪い時にこそ輝くのが優秀なGKだが、今シーズン、彼に救われた試合というのが思いつかないのが悲しいところ。昨シーズンのデビュー当初の方がパフォーマンスが良かった気がするのは何故だろう?多分重圧の違いだと思うので、最低でも今シーズンは黙って見守りたい。
相澤 チームが下り調子のところで使われるがアピールならず。貴重なベテランなのでGK陣のとりまとめも頑張って欲しい。
DF デッキー シーズン前の出来から、当分使われないだろうと思われたが、まさかのSB起用で登場。相手がボールを持った時の1対1には無類の強さを発揮するが、ボールを持っていない状態だと離しがちで、終盤崩れてきたのはコンディションだけの問題では無く、そこら辺をスカウティングされたからという気がする。なんとか改善して欲しい。攻め上がった際の不安定さは当分目を瞑る。
平岡 前半戦のMVP候補①。ゴトビの下でもっとも成長したのが彼なのかもと思う。キャラやデッキーのフォローを黙々とこなす。ロングパスやドリブルなどプレーの幅も広がってきている。
キャラ 前半戦のMVP候補②。六平・竹内でやれているのは、彼が前方に強いからだと思う。怪我が癒えたからなのか昨シーズンより断然良いパフォーマンス。怪我なくカード無く、このまま乗り切って欲しい。
吉田 長沢健在の頃は、彼と元紀のポジションのスライドと運動量がチームの軸だった。その割には数字を残せていないのが残念なところ。よく言われるクロス精度よりも、その手前の判断のスピードと質が悪い気がする。欠点の一つであった好不調の波は少なくなってきた気もする。傍で見ていて、それほど悪くない時でも途中交代させられることがあるのは不思議。本人は交代の理由はちゃんとわかっているのだろうか?確認しているのだろうか?
廣井 彼のようなベテランが黙々とチームのために戦ってくれているのは本当に有難い。
MF 竹内 相手を食いつかせるゲームメイクが素晴らしい。守備も実効性が上がってきており、特にタックルが上手くなった。一方で、チームが悪い時に消えてしまうのは変わらず。そしてバイタルで選択肢と思い切りが少ないのは改善点。消えてしまうことについては、前を向いてボールを持てれば圧倒的な存在感を見せつけられる選手なので、存在感がないのは前を向いてボールを受けられていないということだと思う。ポジショニングと運動量を磨こう。ウナギのようなドリブルが最近見られないのはキレの問題?意識の問題?指示?あれ、好きなんですけれど。
六平 文句なしの前半戦の新人王。テクニックに定評はあったが、守備や動きの質が大きく改善して外せない選手になってきた。スピードもあり、またサイズもそれなりにあるところがチームとしては嬉しいところ。六平ファンでもある我が奥さんが「見え見えのところに出すぞ出すぞってパス出してカットされることが多い」という鋭い指摘をしていた。言われてみると確かにそういうの多い。
河井 今シーズンもMr.マルチロール。しかし待望の前線をやってみたら意外にバイタルでイマジネーションと精度がなかった(感覚を忘れてしまっていた)のは残念。なんとか超特急で勘を取り戻して欲しいところ。地味ながらもプレーのアベレージが高いのがありがたい。愚痴キャラも面白いけれど、そろそろリーダーシップや我を発揮してよりチームにコミットしていって欲しい。
浩太・本田 彼らのような経験も実力もある選手たちのコンディション不良が苦戦の一端。再開後はポジション争いを頑張って欲しいし、ガンガンプレーして欲しい。本田は監督と不仲とかではないよね?ね?
村松 ピーキーな能力の持ち主なので、前半戦のフットボールだと出番は厳しい印象。カウンター主体になれば出番ありそう。PSMのレッドカードが、ここまで響くとは思いもしなかった。
石毛 結果論で言えば、今シーズンはレンタル移籍するべきだった。このままだと真希の二の舞いになりそうで心配。しかしトップ下を欲しがるJ2チームってあるのかしらん?
FW 大前 前半戦のMVP候補③。多分、日本代表入りを真剣に目指していたんだろうな。その為もあって飛ばし気味に入った3~4月のキレと運動量は素晴らしかった。5月に入って急激にコンディションを落としてしまったが、それでも欠かせない選手だった。そう考えると岩下に怒鳴られながら守備していたのも今に繋がっている。最終戦は嫌な終わり方をしてしまったが、完全移籍も果たしたことだし心機一転して再開を迎えて欲しい。
ピーキーな能力の持ち主②かつ好不調の激しい天才。今のところ、今年も変わらないなという印象。切実に何かもう一つ武器が、レベルアップが欲しい。
ノヴァ 暗殺者の本能を持ったストライカー。決定機での落ち着きと足元の技術は素晴らしいの一言。一方で3~4回はヘディングシュートがポストやバーを叩いており、彼にちょっとの幸運や技術があれば、実は色々と変わっていた気もする。彼については、動けないことは仕方がないし、高さに強くないのも仕方がない、ポストプレーとゴールで貢献してくれればという信仰なのか諦めなのかよくわからない心境になっている。夏場はなんとか頑張って欲しい。あるいは休む勇気を持って欲しい。そう考えると予想される冷夏は彼には有難いのかもしれない。
長沢 前半戦のMVP候補④。彼の空中戦の強さや、黙々と潰れ役や守備をこなす献身性がどれほどチームを救ってくれたか。焦らず戻ってきて欲しい。待ってる。
村田 ピーキーな能力の持ち主③、オフザピッチの帝王、栄えある初代イケメン。得意の形に持ち込めば右サイドを蹂躙する一方で、中盤の繋ぎや守備は不安定。六平の例からすると、そのうち練習試合でボランチ起用されたりするんじゃないだろうか。スタンドが期待している稀有な選手なので、もっとゴトビに使いたいと思われるよう日々頑張って欲しい。
善朗 コンディションなのか、日本への適応に手間取っているのか、守備の実効性の問題なのか、おそらくその全ての理由でほとんど出番がなく、ここまででもっともファンの期待を裏切った選手と言えると思う。ただボールを持った時の雰囲気はあると思うので、後半戦の巻き返しに期待。
鍋田 継続して使われないと良さが見えづらいけれど、使われるためにはわかりやすい武器がないという困った状況。前半戦のフットボールだ適していない感。どこかレンタルして欲しい気もする。