2013年シーズン第27節 清水エスパルス vs ヴァンフォーレ甲府
ハラハラドキドキの勝利。好調甲府に対して内容は今一つだったが、悪いなりに勝利を収めることができたことは素直に嬉しい。
それにしても、毎度毎度の立ち上がりの悪さである。俊が抜かれる→河井が裏を取られる→平岡がかぶる→パトリックに誰も付いていないと、幾つミスがあったのかわからない流れで失点。これで河井と櫛引はかなり精神的ダメージを負ったように見えた。
これを覆したのは、大前の決定力である。もともとシュートが上手い選手だったが、ドイツに行って益々磨きを掛けたように思う。
冒頭に書いたように内容はどちらに転んでもおかしくないものだった。横浜戦では面白いようにとれたオフサイドがほとんど取れず、ぴりっとしない守備であった。原因は幾つかあると思う。甲府のボールを受ける位置が上手かった・中盤の3人が前半でイエローカードを受けた・甲府の攻め上がりに対して守備の人数が揃わなかった・パトリックのフィジカルが強力過ぎたなどなど。
しかし同じく3バックの次節の広島戦に向けて良い経験が出来たのではないか。そぞろ累積警告が気になる状態ではあるが、それは仕方がないとわりきって選手には目一杯戦って欲しい。
審判について
一定の基準では進めていたと思う。前半はとかく甲府側のばかりファールを取っていたが、あれはファールを受けても清水の選手がプレーを続けていたからで、「日本の選手たちは、フィジカルコンタクトがあるとすぐに倒れる。でも、接触があって倒れたら、ルール上、ファウルはファウルなので、レフェリーとしては笛を吹かなければいけないんです」という言葉を思い出したように、そういうものなのだろう*1。むしろ清水の選手たちが多少のフィジカルコンタクトがあっても戦えるように成長しつつあると思いたい。ただ、浩太へのイエローカードは厳しかったように感じた。
ハイボールの競り合いはオフェンス側のファールばかりとっていた点、後頭部を強打して倒れた選手へのケアが異なっていた点・ペットボトルに八つ当たりした石毛への対応など疑問は幾つかあったが、問題視されているパトリックの幻のゴールは、直前に腕を使って河井を倒しており、この日の基準に照らし合わせればファールが妥当なのだと思う*2。気になったのはスタジアムで見ていて、審判団のジェスチャーがオフサイドを示しているように見えたことである。
短評
GK | 櫛引 | 失点はノーチャンスも、最近、ファーを抜かれることが多いのは気になる。後半途中からは1対1含めて安定した出来映え。 |
DF | 石毛 | 末恐ろしい。クロスを始めとしてロングボールの精度をどうにかして欲しいが、高速で動いている中では難しいと思う。思えば吉田はその点で叩かれすぎていた。 |
平岡 | あまりいい出来とは思えなかったが、90分戦えたことを喜びたいと思う。 | |
キャラ | 安定していた。 | |
河井 | 不調。先制点で受けた精神的ダメージが大きすぎたか、らしくないパスミスも連発。 | |
吉田 | 最初の1プレーで波に乗れたか。パトリックにもひるまず、良い出来。 | |
MF | 村松 | 逆転シーンで大仕事。迷いなく上がっていけるのが素晴しい。 |
本田 | 悪くないとは思うが、中盤を制圧できないと満足できないぐらい彼に対するハードルが上がっている今日このごろ。 | |
浩太 | 好調維持。右サイドの本田・石毛コンビのように、左サイドでは挟んで奪うシーンが少ないのは何故なのだろう?河井や櫛引に声をかけたり、キャプテン頼もしい。 | |
FW | 大前 | 素晴しい決定力。ハットトリックも狙えた。守備でも頑張る。 |
俊 | 輝けず。最終局面での才能は得難いが、もう一つ俊自身のリズムが作れるような武器が欲しい。 | |
ラドンチッチ | 俊に対する信頼感が下がっているのが気がかり。難しいとは思うのだけれど、ゴール前でもう少し堪えて欲しい。 | |
村田 | 萩の右足によってヒーローになり損ねた。守備でも奔走して欲しい。 | |
監督 | ゴトビ | ファールトラブルが怖かったというのはわかるが、交代が遅かった。最後の時間帯はラドンチッチ・大前がまったくプレッシャーを掛けられていなかったので、翔を投入して欲しかった。 |
甲府 | 山本英臣 | 上手い。特にロングボールの精度が素晴らしかった。 |
柏好文 | 右サイドを制圧。速い。 | |
パトリック | 悪夢のようなフィジカル。このままJリーグでプレーしていけば2年後には恐ろしい選手になっていそう。 |