2015年シーズン第2節 アルビレックス新潟 vs 清水エスパルス
何故このようなチームになってしまったのだろうという、嬉しい驚きを隠せません。
くどいようですが、開幕前の予想が嬉しい形で裏切られています。関係者のコメントからはパスを繋ぐ美しさにこだわっているフットボールを志向しているように感じましたが、蓋を開けてみればチームは激しさと粘り強さを見せてくれています。観ていて楽しいフットボールというのは人それぞれあるのでしょうが、少なくとも必死さが伝わってくるということが最低限のように思いますし、必死さだけでも観ている人の心を打つのだと思います。左伴社長の激が効いたのでしょうか。ともかく苦手アウェーで勝ち気を失わず粘り勝ち点1をもぎ取ったことは素晴らしいことだと思います。
鹿島戦同様、流れは相手チーム。細かいパンチを繰り出す相手に対して、こちらは一発大振りがヒットすればという展開でした。現状、ボールが運べないのでそのことに不満はないです。カウンター主体で全然いいと思います。発展途上のチームなので色々改善点があるのは仕方が無いことだと思います。タフに戦いながら少しずつ改善していって欲しいと思います。
ただ、後半、ボランチが動けなくなってくるとかなり押し込まれてしまい、二次攻撃、三次攻撃を受けてしまうのが気がかりですね。ただ、ここを改善するよりもその状態から前の3~4人でのカウンターを整備したほうが早そうな気もします。
次の試合は昇格組の山雅ですが、変に受けて立ったりせずに、これまでどおりひたむきに戦って欲しいと思います。
短評
全員、ミドルシュートを練習しましょう。今のところ元紀ぐらいしか入りそうなイメージがないです。
GK | 櫛引 | MVP。バックパスが少なかったためリズムを保てたのかも。クロスへの対応が安定してきたのが頼もしい。ここで代表に行ってしまうのは痛い。 |
DF | 4CB | 滅茶苦茶安定していた。特に弦太は開幕戦から一変した出来映え。彼らを中心に12本のCKを危なげなくしのげたのも良かった。 |
MF | 本田 | もう一人、彼ぐらいボールを刈り取れる選手がいると劇的に良くなるんだけれど。 |
八反田・竹内 | 守備に奔走。攻撃面でも彼らが存在感を示せるようになると良いね。 | |
村田 | 色々と課題も明らかになった試合。やはり守備でまったく奪いにいけないし、自陣深くで致命的なボールロストが2回。ただ特に前半、彼がいないとまったく攻撃にならなかったのも事実。 | |
FW | 長沢 | 大前が下がった後半は過労死しそうな勢いだった。八反田からのクロスからのターンは素晴らしかったけれど、シュートは抑えたかった。 |
大前 | 悪くなかったと思うけれど、確かに裏抜けは少なかった。 | |
ウタカ | 今後に色々と期待してしまう出来。視野が広く攻撃面では何でもできる印象。ハイボールに体を張ってくれると非常に助かるんですけれど、どうでしょう?課題は大前との共存で二人共センターのポジションが良さそうで、長沢が外せないのが悩ましい。 | |
デューク | CFWで起用されて弱点が顕になった感じ。体を張れない、チェイシングを頑張らない、足元が不安定。現状ではスペースがないと活きないか?日程や移動、日常生活含めて、Jに慣れていないだけだと良いのだけれど。 | |
その他 | スカパーさん | 新しい試みは歓迎するけれど、枠内シュートは止めようよ。あるいは総シュート数(枠内シュート数)に。ぱっと見の塩試合感が半端ないです。 |
審判団 | 前半の基準は厳しすぎて、後半は流しすぎた。試合中は統一して欲しいです。 |
チャンス数
新潟 | 清水 | |||
---|---|---|---|---|
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
スルーパス | 1 | |||
クロス | 1 | 2 | 2 | 1 |
個人技 | 1 | |||
コンビネーション | 1 | 1 | ||
ミドル&ロングシュート | 1 | 2 | ||
ロングボール | ||||
セットプレー | 1 | 2 | ||
その他 |
2015年シーズン第1節 清水エスパルス vs 鹿島アントラーズ
もちろん清水の勝利を願っていましたが、惨敗まであると思っていた開幕戦でした。昨シーズンの内容もさることながら、NYCやPSMを見てもただバラバラの11人がいるだけのようなチームで、こんなに期待がない開幕前というシーズンは始めてでした。良くなるとしても早くて5月以降、下手をすると2ndステージ以降、それまで士気を維持できるのか?失った勝ち点は挽回できるのか?開幕前なのにとにかく残留してくれればそれだけしかなかったです。
そんな感じでしたので2014年シーズンのまとめも今シーズンのこともネガティブなことしか思いつかず、そんなの文章にしても楽しくないなと悶々としていて、それでもNYCの内容から熱が感じられなくて怖くて怖くて書いたのが前のエントリーでした。
そして蓋を開けてみれば見事な勝利ですよ!鹿島がフルメンバーを揃えられなかったことは大きかったと思いますが、選手達がピッチで見せてくれたプレーは掛け値なしに素晴らしいものでした。熱がないなんてとんでもない。随所に気持ちが感じられるチームでした。
何が原因だったのでしょう?監督でしょうか?選手達でしょうか?会社組織の変更でしょうか?それとも満員の観客でしょうか?そのすべてがこの試合をもたらしたのかなと思います。
NYCではまったく組織が感じられず正直その手腕に疑問を覚えた大榎監督ですが、少なくともチームのメンタル面の改善に成功していると思います。ここ最近試合中の選手同士の会話が増えているのはとてもよい傾向だと思います。また、この試合で選手達が見せたテンションは、モチベートが上手くいったのだと思います。
昨シーズン後に最終戦の甲府戦のように球際に強く行こうと話していた選手達がNYCで見せたプレーぶりは非常に落胆しましたが、この試合ではまさに有言実行という感じでした。同点ゴール時の三浦や、犬飼の前足ブロック、八反田の強いプレーぶりは象徴的だったと思います。
素晴らしいスタートでしたが、大事なことはこの気迫・激しさを継続すること。継続できれば、残留は固いと思います。
改善点はたくさんあります。まだまだボール運びは拙いですし、得点シーン以外では最終局面の精度も低かったです。後半は運動量の低下とともに守備の圧力が激減していきました。勝ち負けを繰り返しながら改善していって欲しいと思います。
短評
GK | 櫛引 | シュートストップは悪くなかったけれど、キックの精度は残念なレベル。もっとも手近なパスコースがCBの2枚しかなくて、そこに相手が1枚ずつ付いているので、チームの問題とも言える。頑張れクッシー、頑張れ急造SB。 |
DF | 三浦 | 1対1で金崎に後手を踏むのは致し方がないとしても、金崎に2本ヘディングシュートを許したのは頂けない。前半のCKからのカウンター食らった時に最後にマークを外したりと、ちょっと課題が多い出来。 |
ヤコビッチ | 良くも悪くも飄々としたプレーぶりは今シーズンも健在。犬飼の前足ブロックのシーンではアピールを優先してしまった。 | |
平岡 | 交代にはヒヤッとしたが、今シーズンも彼が守備の柱。安定していた。 | |
犬飼 | 良いプレーと悪いプレーがはっきりわかれた印象。弦太もそうだが、頑張ってSBを努めて欲しい。 | |
MF | 本田 | 殊勲の勝ち越しゴール!攻撃では時間をつくり、守備では二列目の飛び出しによく付いて行っていた。 |
八反田 | こんなに球際で頑張れる選手とは思ってもいなかった。今シーズンに賭ける意気込みが伝わってくる内容。そして先制点のアシスト。報われて良かったね~。 | |
竹内 | 攻撃面では良さを出せず。守備で奮闘していたけれど、彼も今のポジションをものにするには大変そう。 | |
村田 | 立ち上がりはボールが足についてない感じだったが徐々にアジャストして2アシスト。ドリブルだけではなく、クロスの質が高いのが本当に素晴らしいと思う。 | |
FW | 大前 | 2得点でエースの仕事を果たす。長沢と同様、守備でもチームを助けた。3点目はシュートそのものもゴラッソだけれど、村田に起点となるパスを出しておきながら、フィニッシュシーンに顔を出したのが素晴らしかった。 |
長沢 | 彼がシーズン通して活躍できるのかがチームの浮沈を握ると思う。守備、体を張ったプレー、スペースメイキングなどでチームに貢献。 | |
デューク | 思っていたより視野が広く、思っていたよりエゴイスティックではなかった。チャンスの一つ手前のプレーで輝く。残念ながら、聞いていたよりは守備を頑張らない印象。 | |
番外 | アイスタ | なんであんなに滑るん? |
審判団 | 決定的な誤審が複数回。彼らにインタビューできたり、彼らからもコメントが発信できるようになるといいなぁ。 |
チャンス数
とりあえず出来る限り集計していこうかと思います。
清水 | 鹿島 | |||
---|---|---|---|---|
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
スルーパス | 1 | |||
クロス | 2 | 1 | 1 | 4 |
個人技 | ||||
コンビネーション | ||||
ミドル&ロングシュート | 1 | 4 | 1 | |
ロングボール | ||||
セットプレー | 1 | |||
その他 |
清水エスパルス、気になること
本当に外国人選手が来るのか疑わしくなってきた時に、優秀そうな外国人の補強ニュースが飛び込んで来ましたね。しかも二人も!
これまで元紀かレギュラーでないなんて想像だにしませんでしたが、組み合わせ次第ではそういうこともあり得るのかなと思います。この補強が是非実ってチーム力のアップと更なる切磋琢磨をもたらして欲しいと思います。
で、気になることというのは、その切磋琢磨に係わることで、去年の村田の「ホンマに本気で代表を目指しているヤツは多分おらへんねん」というコメントです。別に代表じゃなくて、海外のビッグクラブでプレーしたいとか、清水でアジア制覇とかでも良いのですが、高い目標や野心、情熱といったものがあるのかという話で、少なくとも村田の皮膚感覚的には「それがない」ということです。
若い選手が多いチームにとって、これが本当だったら由々しき事態であり、とても悲しいことです。また3年半チームを指揮して(悪化させたのか改善できなかったのかはさておき)この状態なのであれば、ゴトビの解任は正解だったと言わざるを得ないと思います。2年前には笑い飛ばしていた地熱発言が、実は的を射ていたのではと疑念を覚えてしまいます。
練習や試合で選手たちが手を抜いているとは思いません。ただ才能がある人たちが集まっているプロの世界ではどこまで情熱を傾けて日々を過ごしているのかが重要だと思うのです。他チームの選手たちがより情熱をもって日々を過ごしていたら遅れを取ってしまいます。
例えば、監督が走ることを禁止するのであれば、監督に交渉したり、練習メニューを作ってもらえなかったのでしょうか?練習外で走ることは出来なかったのでしょうか?一向に改善されないスローインをどうにか改善できないか話し合えなかったのでしょうか?パスがズレた後にお互いの意図を擦り合わせていたのでしょうか?
NYCの磐田戦、特に前半は劣勢でした。組織が機能していないチームで個人が覆すのは至難ですが、それでもそれを打破しようとしている選手がいないように見えたのが残念でした。30人を優に超えるメンバーがいる競争が激しい中で、無理をしてでもチームを立て直そうと、アピールしようとしている選手がいないように見えました。
上にあげた事柄が杞憂であればいいなと思います。あるいは、現状がそうであったとしても、改善していって欲しいなと思います。正直、戦術の深みや引き出しの多さでは大榎はゴトビに及ばないと思います。ただこの点では期待しています。明日、NYCの第二戦を迎えますが、序列なき競争を後押しするような選手起用・采配を期待したいと思います。